諏訪湖の神秘「御神渡り」2025は「明けの海」

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春を指折り待ちつつ、何か楽しいことを探している八ヶ岳スタッフFlowです。

冬の神事である「諏訪湖御神渡り」についてご紹介したいと思います。

 

冬の諏訪湖を舞台に繰り広げられる神秘的な現象「御神渡り」。

凍りついた湖面に現れる氷の道は、まるで神様が通った跡のようで、見る者を幻想的な世界へと誘います。

御神渡りは、諏訪湖の厳しい自然環境が生み出す奇跡であると同時に、古くから人々の信仰を集めてきた神秘的な現象でもあります。

御神渡りとは?

御神渡りとは、厳冬期に諏訪湖が全面結氷した後、氷の膨張と収縮によって湖面に亀裂やせり上がりが発生する自然現象です。

諏訪湖にひとすじの亀裂が入り、氷の板が折り重なるような割れ目になります。まるで人の文字のように氷の板が互いに重なります。

実際に見られるのが一番なんですが、近年真冬日が連続することがなくなり、なかなか見ることができなくなりました

御神渡りが起きなかった諏訪湖

御神渡りが起きなかった諏訪湖

御神渡り神話

諏訪大社に伝わる神話では、上社の男神・建御名方神(タケミナカタノカミ)が、下社の女神・八坂刀売神(ヤサカトメノカミ)のもとへ通う道であるとされています。

 

御神渡りは、古くから「諏訪の七不思議」の一つとして数えられています。

通常1月から2月の厳冬期に出現し、気象条件によっては数日から数週間、湖畔からも確認できます。

諏訪湖に御渡りができると宮司と氏子総代、古役、小和田各区長等約60名が、諏訪明神の通った道とされる氷の亀裂を拝観し、その年の農作物、社会情勢の吉凶、気候雨量等を占い、結果を公表する神事があります。

占いの仕方は過去の御神渡りの時の時事を分析、比較して今年を占うもので、いわば統計学に基づいたもののようです。

諏訪地方は山に囲まれた地域のために他地域へ容易に移動したり、運んだりが難しいため田畑への水量や天候による影響が大きかったのではないか、と思われます。

諏訪大社が占う今年の傾向は地域に住む人々の支えとなっていたのではないでしょうか。

御神渡りのメカニズム

御神渡りは、冬に気温が下がり諏訪湖が全面結氷し、-10℃以下の寒気が数日続くと氷の厚さが10cm以上になることで発生します。

さらに、昼夜の温度差で氷の膨張と収縮が繰り返されると、湖の南岸から北岸にかけて轟音とともに氷が割れ、高さ30cm~60cmほどの氷の山脈ができます。

 

御神渡りは、以下の条件が揃った時に発生すると考えられています。

  • 全面結氷: 諏訪湖が完全に凍結すること。
  • 寒暖差: 日中と夜間の気温差が大きいこと。
  • 氷の膨張と収縮: 気温の変化によって氷が膨張したり収縮したりすること。

これらの条件が重なると、氷に亀裂が入り、せり上がりが発生します。この現象が、まるで道のように見えることから「御神渡り」と呼ばれるようになりました。

諏訪湖の表面が全面的に凍結するだけでは不十分で、寒暖差があって氷が膨張し収縮しないと、氷がせりあがってこないため御神渡りに成りにくいようです。

御神渡りの歴史

御神渡りの記録は、室町時代の1443年(嘉吉3年)にまで遡ることができます。

諏訪大社では、御神渡りを神様の通り道として神聖視し、古くから観測と記録を行ってきました。

御渡注進状という書面で諏訪大社へ報告の奉納を現在でも継続しているようですね。

江戸時代には、御神渡りの様子を記した絵図や記録が数多く残されており、当時の人々が御神渡りに関心を寄せていたことが伺えます。

御神渡りの観測

御神渡りは、諏訪湖の全面結氷後、1月中旬から2月下旬にかけて現れることが多いです。しかし、近年は地球温暖化の影響もあり、御神渡りが発生しない年が増えてまいりました。

もし、諏訪湖へ御神渡りを見に来られる場合はタイミングもさることながら、以下の点に注意する必要があります。

  • 服装: 諏訪湖畔は非常に寒いため、防寒対策をしっかりと行う必要があります。
  • 時間帯: 御神渡りは、早朝や夕方など、気温が低い時間帯に現れやすいです。
  • 場所: 諏訪湖畔の各地から観測できますが、色々な場所で御神渡りが起きると考えていいと思います。

八剱神社の宮坂宮司

八剱神社(やつるぎじんじゃ)の宮司や氏子総代が毎年観測を行っています。

長野県諏訪市豊田の舟渡川河口左岸で御神渡り観測を行っており、有志の方が観測場所の清掃や整備を行っているなど、地域の関心が高いです。

 

1986(昭和61年)年からずっと観測を続けられています。

 

長野県のニュースでは御神渡りの時期になると宮坂宮司の姿を見ているような気がします。
近年は御神渡りが起こることが少なくなり、毎年宮坂宮司の一喜一憂を見守っております。

 

諏訪地方は寒天の製造など寒暖差を利用した特産物もあるため、冷え込みが激しい方がいいのかもしれませんが、住まわれている人にとっては過ごしやすい冬となり、なかなかジレンマですね。

 

御神渡りと諏訪大社

御神渡りは、諏訪大社の神事と深く結びついています。諏訪大社では、御神渡りが発生すると、神職が湖畔を巡視し、御神渡りの状態を観測する「御神渡り神事」が行われます。

御神渡り神事は、以下の手順で行われます。

  1. 湖畔巡視: 神職が湖畔を巡視し、御神渡りの状態を確認します。
  2. 神事: 御神渡りの状態に応じて、神事が執り行われます。
  3. 御神渡り判定: 神職が御神渡りの状態を判定し、その結果が公表されます。

御神渡り判定の結果は、その年の気候や作柄を占う意味合いも持っています。

湖畔巡視は八剱神社の宮坂宮司らが行い、神事は諏訪湖で起きた御神渡り付近(つまりは氷上)で行われています。

御神渡りの伝説

御神渡りには、様々な伝説が残されています。

  • 諏訪大社の神様: 上社の男神・建御名方神が、下社の女神・八坂刀売神のもとへ通う道であるという伝説が最も有名です。
  • 龍神: 諏訪湖に住む龍神が通った跡であるという伝説もあります。
  • 大蛇: 諏訪湖に住む大蛇が通った跡であるという伝説もあります。

これらの伝説は、御神渡りが古くから人々の畏怖と信仰の対象であったことを物語っています。

諏訪大社は蛇や龍が神様として扱われているので、神社のお社には龍の口から水が出る像があったりします。

当時は灌漑に難儀していたのでしょうか。干ばつで亡くなった方も多かった年があったらしく、治水事業も行われています。

御神渡りの魅力

御神渡りの魅力は、その神秘的な光景だけではありません。

御神渡りは、諏訪湖の厳しい自然環境が生み出す奇跡であり、自然の力強さを感じさせてくれます。

また、御神渡りは、諏訪大社の神事と深く結びついており、歴史や文化を感じさせてくれます。

御神渡りが起こる時の音も、なかなか聞くことはできませんが厚い氷がバリバリと音を立ててせり上がる様も魅力でしょう。

八ヶ岳スタッフFlowとしては、暖かくて過ごしやすいが今年は御神渡りが出るだろうか、八剱神社の宮坂宮司の様子を知りたい、など様々な気持ちになります。

昔は歩けた全面結氷諏訪湖

今では考えられなくなりましたが、昭和の時期までは諏訪湖が全面凍り付くと厚い氷となり諏訪湖を歩けました

 

諏訪湖周辺に設置されている赤い旗があるのですが、これは「湖面に乗ったら危険」という印です。

もうずっと赤い旗しかみていないようで、乗っても大丈夫な旗は白だったのかもよくわからない状態です。

ちなみに諏訪湖に設置されている看板には「湖面は危険」という表示があります。

凍結しているようでも部分的に薄い場所があり、見ただけでは予測不可能なので大変危険です。

氷の下へ落ちると出口が見えないから簡単に抜け出せない、しかも凍るような水温なのですぐに体の自由が利かなくなる、地元ではそう言われています。

なんて恐ろしいのか、子供が遊んで危険だからという理由での話なのかは不明ですが、落ちたらただでは済まないでしょう…。

 

この話はまだ受け継がれているのか、凍った諏訪湖で遊ぶ子供を見たことがないですね。

 

諏訪湖の人口島、初島

諏訪湖には人口の島、初島があります。

諏訪湖が凍り付いた日には初島まで歩いて初島にある初島神社までお参りに行く人がいました。

 

初島神社は安産と子宝の御利益があるそうです。

 

また御柱祭も行われているので、神社周辺には四本の御柱が建てられています。

この初島は夏8月15日に行われる諏訪湖花火大会の打ち上げ台にも使われています。そのイメージからか、ここ初島が正面に見える場所が諏訪湖の正面な気がいたしますね。

近年の御神渡りが起きたのは2018年

近年では、地球温暖化の影響で諏訪湖の全面結氷が難しくなり、御神渡りの出現頻度が減少傾向にあります。

2018年以降は、2022年に5年ぶりに諏訪湖の全面結氷が確認されましたが、以降は出現していません。

御神渡りが起きた年は確かにとても寒い年で、住宅では水道の凍結などが起こりました。風も冷たく外に洗濯物を干そうとするならば、瞬時に凍結してしまうほどです。

御神渡りが起きなかった=明けの海

御神渡りが起きなかった年のことを「明けの海」と言っています。

立春付近になっても御神渡りが起きなかった場合、今後も起きることがないと判断され「明けの海」宣言がされているようですね。

 

湖をなぜ、海と表現するのか、と八ヶ岳スタッフFlowが周囲と話し合ったところ「やはり長野は海なし県」だからだろうと決着いたしました。水がたくさんある、というと海でしょうか。どうでしょう。

御神渡りを見に行く際の注意点

  • 非常に寒いので、防寒対策を万全にしてください。

風が刺さるように冷たいので防風効果がある防寒着でないと厳しいです。防寒着だけでなく、カイロを仕込んだり手袋なども必要だと思います。

靴も薄手の靴だとしもやけになるほどです。

  • 湖面は滑りやすいので、足元に注意してください。

御神渡りが起きる時期は1月から2月なので、道路は凍結しています。
積雪がある場合は凍結箇所が見えないので十分注意が必要です。

  • 御神渡りは自然現象なので、必ず見られるとは限りません。

この大きな湖に起こる現象なので、どうにも期待通りとはいかないですね。御神渡りが起きた、と聞いて駆けつけるイメージです。

凍結した諏訪湖をみるおすすめスポット

御神渡りが見られなくても、全面結氷した諏訪湖を見るのもなかなか圧巻です。

波がなく、全面白々とした揺れのない諏訪湖はこの時期にしかみられません。

 

八ヶ岳スタッフFlowがおすすめする全面結氷諏訪湖を見るスポットをご紹介します。

 

諏訪湖間欠泉センター

ここには足湯があり、飲料の自販機もあり、多くはないですが駐車場もあり、暖かくゆっくり出来る場所です。

諏訪湖岸ギリギリまで行って見てみたい!という方におすすめです。

 

間欠泉センターでは間欠泉という、温泉が噴き出す場所があり、時間になると温泉が地面から噴き出す様をみることもできます。

(しかしこれも最近は時間で噴き出すことが難しくなったらしく、地下変動なのか自然は本当にままならないものです)

 

見られる場合は高さ5メートルの温泉が90分間隔で起こります。

近くで見られる場合、風向きによって濡れますのでタオルなどが必要です。

足湯を利用する場合も濡れた足を拭くタオルが必要なので一石二鳥かもしれませんね。

 

SUWAガラスの里

ガラスの里はガラス細工の美術館でカフェもあり、ゆっくりくつろぐことができます。

諏訪湖までは少し歩きますが、美術館に興味がある方やお食事を楽しみたい時はここがいいでしょう。

 

麺屋蔵人 湊店

岡谷方面から見る場合でおすすめなのが麵屋蔵人、岡谷湊店です。

鉄なべで味噌を焼いた美味しいラーメン屋さんです。

人気店で、新しく岡谷湊にオープンしました。

 

岡谷湊側の諏訪湖岸は最近になって再整備され、とても美しく過ごしやすい場所になりました。駐車場もあり、穴場かもしれません。

 

ともかく、麵屋蔵人のラーメンがとても美味しいので、ラーメン好きな人におすすめしたいです。

ラーメンの麺を食べたあと、残ったスープで雑炊にしたり、チーズリゾットにしたりといったメニューもありとっても満足です。

 

諏訪湖ヨットハーバー

諏訪湖ヨットハーバーは、とても広い駐車場があります。

大きなキャンピングカーや数台で見に行かれる場合の駐車場におすすめしたいですね。

周辺には公衆トイレや自動販売機があります。

 

諏訪湖岸には少し歩きますが、目の前で凍結した諏訪湖を見ることが出来ます。

 

2025年の御神渡り

明けの海

ちなみに2025年の御神渡りは「明けの海」となりました。

2025年は日中も氷点下となる真冬日がほとんどなく、一番冷え込む一月末あたりも日中も3度ほどを保っていたため難しい状況でした。

諏訪地方の市街はほとんど積雪もなく過ごしやすい年となりましたが、御神渡りが見られないことはいささか寂しくもあります。

御神渡り占いを自己流でするならば、御神渡りが起きない年は「予測不可能」ということになるのか、昔の人も気になっていたお米の収穫ですが、今年もお米の値上がりは続くのか現代の私たちも気になるところです。

予測不可能となった情勢でも強く生きて行けよ、と八剱神社の宮坂宮司が後ろ姿で語ってくださっているようで毎年目が離せないのです。

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