八ヶ岳は2月に複数回積雪が有りました。
こんにちは、八ヶ岳エリア担当の現地コーディネーターの山田です。
2月もあっという間に終わり、全く意識していなかったうるう年を
月末になって気付き驚いています。
八ヶ岳エリアはここ数日雪に見舞われて対応に追われている様子です、、
と言うのは、私は所用で札幌に一週間程滞在していて、
ここ札幌市街のホテルからお送りしています。
せっかくの機会なので北の街の様子と今回は八ヶ岳と比較した札幌の
冬の印象をお伝えしたいと思います。
最後までよろしくお願いいたします。
目次
寒冷地の基礎、凍結震度とは
清里でよく言われる寒さの表現に「清里は北海道よりも寒い」と言われます。
実際に北海道から移住された近所のお爺さんが清里に住んで
初めて風邪をひいたそうです。
これは、気候風土にもよると思いますがそれぞれ地域の建築断熱性能や
寒さへの考え方が影響しているかもしれません。
別荘を検討されている方々で「雪の多さ」と「冬の寒さ」を
混同して考えている方が多いので、
今回は八ヶ岳と札幌を比較して話ていきたいと思います。
建物を建てる際に基礎を打設しますが、基礎の打設高(深)は
それぞれの地域によって違います。その深さは地中の温度が
年中一定に保た地上の気温による影響を受けない深さを言います。
寒冷地では、地上の温度変化の影響を受け地中の水分が凍結し
膨張することがあります。皆さんもご存知の霜柱がそれです。
凍結によって地面が持ち上がる事が基礎に大きく影響するのです。
基礎がしっかりと建物の土台として機能するため、凍結深度を
考慮した基礎工事が行われるのです。
八ヶ岳エリアでは80cmから120cmの深度で基礎を打設します。
そして北海道の札幌では60cm、旭川で80cmとなっています。
北海道から来たお爺ちゃんの体感は間違っていなかったのです。
八ヶ岳エリア(北杜市)での積雪による生活の実際
移住や別荘利用を考える皆さんが気になる冬の八ヶ岳、だいたい聞くことは
雪はどうですか?積もりますか?調べてみても、市の広報ホームページを見ても、
単に「一部山間部に置いて積雪が見られる程度」と記載されています。
前回のブログにも書いたのですが、八ヶ岳は寒冷地ではありますが
豪雪地では無いので、行政も雪への備えや対策はあまり考えていない様です。
移住者としての私が日々の生活スタイルの中では、標高1200m付近の自宅が
ある清里から子供の送迎で通うJR長坂駅が標高610mなので、
移動時間が20分程度のタイムスパンの中で、積雪30cm以上の雪を除雪して
車で出発20分後、全く雪のないJR長坂駅に子供達を送り届ける。
この環境に慣れるまでは暫く戸惑いました。
何故なら服装の防寒性や靴を長靴にするかスニーカーにするか、傘は?
レインウエアは?寒さ対策や、濡れ対策どうするかといったところから、
送迎にかかる時間の読み、降雪がどの範囲の地域まで及んでいるかによって、
駅までの所要時間も変わってきます。
私たちのような現役で子育てしている世代は、子供の就学場所や親の就労場所と
自宅のそれぞれの気象条件の違いによる(大袈裟かもしれませんが標高100m毎に
0.6度気温が変わるとされているので注意が必要です)身体の疲れ方や疾患を
お持ちの方はよりクリティカルな体調変化があります。
「山登りではよく、麓(ふもと)では気にならなかった虫歯の痛痒が山小屋で悪化する」
風邪の症状があったり、免疫力が低下していると、標高差によって耳鳴りや耳詰まり
(耳閉塞感)に悩まされることもあります。送迎や所用で標高が変わる度にこのような
現象が日常的に1日の中で繰り返される感じです。
現在の札幌市の様子、積雪する北の都市
札幌市の人口は約193万人,都市面積1100キロ平方メートル規模と
広大で年間累計積雪量は約6m!!札幌市の年間の除雪費だけで
150億円もかかっているそうです。
世界的に見ても積雪量の多い都市として札幌市は他に類を見ない環境と云えます。
例えば、スエーデンのストックホルム人口は92万人で年間累計積雪153cm、
カナダのモントリオールは人口170万人で年間積雪累計200cm程度、
札幌がほぼ200万人で年間積雪累計が約600cmと云うことなので、如何に札幌市の
積雪に備えた都市機能が特殊かよくわかります。
この人口規模の経済活動と市民の日常生活を支え維持していく札幌市は世界から
多くの人々を迎え発展しています。
そしてこの積雪を貴重な観光資源として札幌雪まつりを行うなど、抜かりのない市政を
見ても雪と共に生きる札幌の人たちの逞しさを感じました。
とにかく街は常に白く雪に覆われていて、市民は歩みを緩めることなく日常を送っています。
市街中心部は碁盤の様な街区デザインで東西に地下に巨大な歩行空間が配置され、
札幌駅から南は繁華街すすきの駅まで天候を気にせず移動できます。
札幌から郊外へ向かうと冬場は一面の雪原が広がり春を辛抱強く待つ人々の日々の営みも
雪の無い街の人々と変わらない日常を感じます。とは云え慣れないと危険も多い札幌の生活、
例えばビル街の歩道を歩いていると所々に設置されている工事用のコーンやロープ。
これはビル屋上に積雪した雪が落ちて来るそうで、年に何人も落雪による重傷者が出るそうです。
実際私も北大のキャンパス内を歩いていて並木から落雪で全身真っ白になり、軽くさらさらとした
性質の雪とは云えかなりの重さの衝撃によろけてしまいました。
注意して見ていると多くの人は車を避けながら車道を往来していたり、
車通りが少ないところは車道の真ん中を歩行しています。
車もそうですが除雪されてうず高く積まれた雪のため視界が利かず
出会い頭に衝突する事故も頻繁に見ます、
雪に慣れているからこそ起こる事故かもしれません。
八ヶ岳から札幌へ旅の目的
今回、私は札幌の建築断熱性能と寒冷地建築に精通した設計事務所と札幌市近郊の
レンガ工場の見学に伺いました。
それは山梨県の寒冷地での建築物の寒冷地仕様の断熱性能と札幌市建築物の断熱性能の
違いを比較検討する事と日本製レンガの寒冷地での有用性を調べるためです。
皆さんもご存知の通り北海道はレンガの建物が多く、世界的に見てもレンガ生産の
環境としては北限に近いと言われています。
その中でも野幌(のっぽろ)は最盛期に14社の煉瓦工場があったのですが、
現在は2社となってしまっています。
レンガに限らず建築マテリアルは安価な輸入品の攻勢により多くの産業が危機的な状況です。
建築資材を輸入に頼る日本の建築業界は世界情勢の変化により深刻な影響を受けています。
記憶に新しいところではコロナ禍やウクライナ危機による「ウッドショック」もそうです。
札幌市の代表的な設計事務所で野幌煉瓦で作られた築60年の建築物を見学して、
当時実験的に施行された床暖房と大開口のガラス窓、そして野幌煉瓦の組み合わせ
による建築の60年間の断熱性能のデータを見ながら建築材としての野幌煉瓦の
特色について話を伺ってきました。その話はまた別の機会に。
小樽の煉瓦造りの倉庫群や北海道道庁庁舎(現在は改修中)サッポロビール工場、
そして美しい北海道大学の建築群を見ながら、経年変化と丁寧なメンテナンスによって
美しく整った煉瓦や木造建築物と現代建築の調和により雪の街の景観そのものが北海道の
観光資産になっている事は、地方で生きる私たちが過疎化消滅の危機に瀕する地方が
抱える問題のソリューションの一つになるのではと再考する機会になりました。
北の学都からの言葉
最後に、北海道大学総合博物館での建築学部リサーチ展示の中に「寒さと建築」の項目から
一節をご紹介して、北海道からのレポートを終わりたいと思います。
『欠点対応型の技術や発想は目先の問題を解決しても、むしろ地域のハンディキャップを
大きくしてしまう。地域の魅力や独自性、地域性を育てる力になることが大切である。
自然に恵まれた北海道に求められるものは、自然エネルギーの特性を生かし、空間を生かし、
人を生かす「生エネルギー」への先進的な取り組みである。
持っていないもよりも持っている特質(雪や寒さ)に価値を見いだす地域性を
尊重する成長により、持続可能な共存性が生まれる。』
寒冷地としての八ヶ岳と札幌市の特徴
八ヶ岳は山岳地帯として標高差により積雪のムラがあり、
高標高地は局地的な寒さの厳しさがあり深く長い。
一方札幌市は日本有数の積雪地帯であり広範囲(平地のため)
時期により寒さにムラがあり、浅く短いと云う違いがわかりました。
長々とお付き合いありがとうございました。
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