名義変更の大切さ
以前にある物件売買に伴い名義変更の手続きをお手伝いしたことがあります。
相続登記を完了しないと売買できない物件だったのですが、何代か前の人の名前になっていたため、法定相続人を調べたところ実に数十人に登ることがわかりました。
結果的には、無事に相続登記が出来たのですが、それまでに費やした年月と費用は膨大なものとなりました。
土地や建物の名義を、被相続人のままにしておくこと人が意外に多いのが気になります。
一番問題なのは、代が変わるごとに、法定相続人の数が増えることです。
相続登記をするのには、法定相続人全員の実印による押印と印鑑証明書が必要になるのです。
中には金銭を要求する人もいます。
また、連絡先が分からない人もいます。
遠方に引越していた場合には、了解を取るのに出向いて行くとしたら大変な時間や経費がかかるのです。
私が担当した相続登記の中で、相続人の一人がアメリカに移住している人がいるケースがありました。
その人はもう高齢となっており、妻はアメリカ人で日本語が堪能ではありませんでした。
その時は、幸いなことに近くの親しい友人に日本人の方がおり、私とその人の間で何回もメールのやり取りをし、相続登記に必要な書類を用意することが出来ました。
相続登記を先延ばしにすることは危険です。
遺産分割協議書を作らなければなりませんし、相続登記の費用もかかりますが、やはり相続時にしておくことが一番です。
先延ばしすることは、必ずリスクが生じることになるのです。