台風が去って
台風が去りました。
今回の台風の被害も甚大なものでした。
地震に津波、そして台風。
自然の脅威とその破壊力の前には、人間の科学や技術というものは、何て無力なものでしょうか。
私たちの先人達は、その自然と向き合いながら、様々な格闘を重ねながら今の時代を築いてきたのです。
美しい自然も、ひとたびその姿を変えれば、竜虎となって容赦なく私たちに襲い掛かってくるのです。
そんな自然の猛威を目にする度に、いかに日頃の悩みがちっぽけなものだったのか気がつくのです。
今回もたくさんの人々がその尊い命を失いました。
謹んでご冥福をお祈りしたいと思います。
そのような尊い犠牲があるたびに、人間は謙虚になり反省し、未来に向けて準備をしてきたのでしょう。
そう考えると、過去に犠牲になった尊い御霊のおかげで、今日の私たちがあると言っても過言ではないかもしれません。
この台風の最中、私も信州の高山村で土地の境界の立会いがありその現場にいました。
暴風雨の中、傘も吹き飛ばされてしまい、雨にさらされながらの立会い現場でしたが、土地家屋調査士の方から土地の持ち主、隣地の方まで真剣にその作業に携わってくれました。
こんな時の土地家屋調査士の苦労はいかばかりでしょうか。
その果敢な姿にプロ根性というものを垣間見た思いでした。
責任感というものは、かくも美しいものかと思いました。
私もそんな責任感溢れる人になりたいものです。
時効取得
「時効取得」。
民法で定められている権利ですが、簡単に言うと次のようになります。
自分の土地だと思い込んで、すなわち地人の土地だと知らないで10年間占有していた場合に、その土地は自分の土地になるそうです。
これを善意の時効取得と言います。
他人の土地だと知っていても、20年間占有していた場合に、その土地はやはり自分の土地になるのです。
これを悪意の時効取得と言います。
もちろん、時効取得の裁判をして、その判決を以って登記簿謄本上も所有権が移転するわけなので、そんなに簡単にはいかないのですが。
この時効取得のことは、話にはよく聞いていたのですが、弊社が仲介して売買した土地をめぐって、もしかしたら時効取得の裁判をするかもしれないことになったのです。
他人事ではなくなりました。
法律に照らしあわせば、既に結果は出ているのですが、何事も蓋を開けてみなければわからないのが勝負事の常です。
果たして裁判長はどんな判断を下すのでしょうか。
また、反対弁論はいかなる弁論になるのでしょうか。
弊社の立場は一貫しています。
すべてはお客様のためにです。
裁判途中に和解交渉もあるかもしれませんし、円満に解決できればそれに越したことはありません。
弊社にできることでベストを尽くすのみです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%96%E5%BE%97%E6%99%82%E5%8A%B9
変わる常識
昔と今では常識がまったく変わってしまうことも珍しくありません。
例えばスポーツの世界。
昔は運動中は水分を取ってはいけないと言われてきました。
今では積極的に水分を取るのが常識になりました。
私が小学校の頃は、スポーツ根性物語いわゆるスポ根の影響もあってか、トレーニングとしての階段でのうさぎ跳びが奨励されていました。
今ではそのようなトレーニングは膝を痛めるという理由でまったくやらなくなりました。
野球選手は肩を冷やしてはいけないという理由で水泳などは控えていました。
今はアイシングなどむしろ冷やすことをしたり、シーズンオフには水泳などのトレーニングを常識となったのです。
確かに昔の非常識は今の常識という側面もあると思います。
経営や商売の世界ではどうでしょうか。
「利他」とか「お客様第一主義」、「三方よし」とか言うと、そんなの理想だとか、綺麗ごとを言っても儲からないとか言われたものです。
現に、不動産業界では「金がすべて」とか「所詮、金だ」と言ってギラギラしていた人が儲けていた時代もありました。
ところが、最近はどうでしょうか。
私が知る限りでは、「金で愛も買える」と豪語していた著名な企業家が没落したり、昔の拝金主義の価値観のままま営業している人が急に運勢をなくし営業実績が急落したりしています。
恐らく近い将来、経営や商売は利己主義や個人主義、拝金主義などの旧来の価値観では、まったく通用しない時代になるのではないかと思います。
いやもう既にそうなっているのかもしれません。
手紙を書く
少し古い本になりますが、童門冬二さんの「織田信長 破壊と創造」という本を読みました。
この本を読んで意外な事実を知ったのです。
織田信長は非常にまめに手紙を書いていたということです。
今で言えば手紙魔、メール魔といったところでしょうか。
これは少し以外でした。
天下統一を目指して突っ走ったその生涯からは想像できなかったからです。
なるほど、あれほどの勢いでその勢力を広げていくには、用意周到な根回しがあったのでしょう。
私が尊敬する船井幸雄さんは、成功するためクセづけとして、次の三つのことを教えています。
メモを取ること、見送ること、手紙を書くこと。
一日三通、一年で千通は手紙を書きなさいと説くのです。
この教えを充実に実行したのが、船井総研の会長である「小山政彦」さんと、S・Yワークス社長で天才経営コンサルタントとして名高い「佐藤芳直」さんです。
お二人とも大成功しており、その教えの正しさを実証されました。
ワタミの「渡邉美樹」さんは、日記を書きなさいと教えます。
小学生の頃から一日も欠かさずに書き続けているそうです。
やはり、成功するには成功するだけの理由があるのですね。
時代が変わっても変わらない大切なものがある。
そんなことを感じたのでした。
猛暑は去ったのか
以前にブログで書いたこともありますが、弊社「日本マウント」が入居しているビルは、土曜日や日曜日は基本的には冷房が効きません。
個別に空調をお願いすると、莫大な別料金を支払わなければならないため、どうしたらいいのか頭を抱えていました。
基本的に土日は事務方は休みで、営業マンも理想は案内や調査で会社にいない方がいいのです。
しかし、メールや電話対応だけはやはりやらなければなりません。
そこで、以前に事務所の一つとして借りていたマンションの一室に電話を転送して受けることにしたのです。
ここは、単身赴任の私のねぐらでもありますが、昼はほとんど使っていないのと、荷物らしきものもほとんどないため、夏の間の土日だけ以前のように事務所として使うことにしたのです。
9月末まではそうした体制にしようとしたところ、昨日の土日は最高気温が27度くらいと予想されたため、冷房の必要もないと考えて、通常通り事務所で電話やメールの対応をしました。
このまま涼しくなるのでしょうか。
残暑は厳しくないのでしょうか。
気になるこの8月末、9月の天気予報です。
消費電力オーバーによる電力不足が懸念されたこの夏は、どうやら日本全体の節電意識も浸透し、乗り切ったのではないかと思われます。
少し暗い駅ホームやスパーやコンビニなどの店舗にも慣れたきたようです。
かえって明るすぎる店舗などには共感することができません。
節約癖が日本全体に定着すれば、それも一つの進歩なのでしょう。
このまま涼しくなることを期待します。
ババ抜きというゲーム
トランプのゲームで「ババ抜き」は誰でも知っています。
最後にジョーカー、いわゆる「ババ」を掴んだ人が負けるいう、あのゲームです。
不動産をめぐり、関係者でこの「ババ抜き」のゲームが頻繁にされているのです。
相続税対策という名の下に、土地の持ち主は金融機関から多額の借金をして賃貸アパートを建てようとします。
金融機関と建設会社が協力して、相続税対策というセミナーとやらを開催して、彼らが言うところの相続税対策の王道とやらの、いわゆる借金して賃貸アパートを建てることを勧めるのです。
ゲームの参加者は、地主、金融機関、建設会社、そして節税をアドバイスするコンサルタントの面々です。
さて、このゲームで「ババ」を引き負けるのは誰でしょうか。
そうです、地主なのです。
30年ローンを組めば、最初の15年はほとんど金利になります。
賃貸アパートは15年後くらいからガタが来て、補修が必要になります。
お金がかかるうえに、入り手は減ります。
人は誰でも新しいアパートに入りたがるのです。
人口減少や高齢化社会が進み、これから猛烈な勢いで一戸建の空家が増えると予想される日本では、おそらく15年後にはアパートを借りるお金で戸建が借りれるようになることでしょう。
金利の支払いが終わっていよいよ元金を返す頃、修理費がかさむようになり、空室が目立つようになることは十分予想されます。
金融機関は既に金利で儲けを確保しており、建設会社も建てた瞬間には利益は回収していますし、家賃保証というトリックを使って地主を安心させていますが、保証して余りある利益を取っているわけですから、保証するのも当然のことでしょう。
その保証とやらも怪しいものです。
会社が倒産すれば、保証はただの絵に描いた餅になります。
それこそ倒産しないという保証はありませんし、リーマンや日航、ダイエーだってつぶれたではありませんか。
また、入居者が減る頃にちょうど保証が切れるようになっているのです。
いずれにしてもサラリーマンである銀行や建設会社の担当者は、30年後にはその会社にいないのです。
今の日本で30年後の社会を予想することはほぼ不可能です。
社会の仕組みや税金の税率から、土地の値段までどうなっているのかわからないのです。
いかに無責任な提案をしているかがわかるというものです。
誰が負けるかわかっている出来レースは、もういい加減にやめるべきでしょう。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%90%E6%8A%9C%E3%81%8D
会社経営の難しさ
未曾有の大不況。
もうこの言葉には慣れてしまった感があります。
デフレが終わりそうで終わらない昨今。
価格破壊はどこまで進むのでしょうか。
大学生の就職内定率は過去最低のレベルになってしまいました。
円高や株安の不安は止まりません。
いつのまにか失われた10年は、失われた20年という言葉に代わってしまったようです。
平成21年度、日本企業の74.5%は赤字企業であり、13,306社が倒産しているというデーターがあります。
22年、23年はさらに増えるのではないかという懸念すらあるのです。
2005年の国税庁によれば会社の生存率は、5年後で15%、10年後で6.3%、20年後でなんと0.3%だというのです。
このデーターからすれば、企業は倒産することが当たり前であるとも言えます。
弊社「日本マウント」は今年が5年目です。
今年を乗り越えれば5年後の15%という企業の仲間入りを果たすことが出来るのです。
何て消極的なと思われるかもしれませんが、今の時代、まさに「一寸先は闇」なのです。
もう10年一昔と言っていた時代ではないのです。
時代の変化についていけなければ負けなのです。
そこそこ人も増えて大きくなってきた頃が一番危ないのです。
いずれにしても簡単ではないこの時代。
難しい舵取りを任せられてしまいました。
この難局をいかに乗り切るか。
これからが正念場です。
那須土地コレクター
以前にこのブログでも触れたことがありますが、弊社のお客様の中に「那須土地コレクター」と呼んで相応しい人がいます。
それも一人ではなく二人いるのです。
その名に相応しく、一人で十数か所を所有しています。
しかもいまだに買ったり売ったり買い換えたりの連続です。
横浜の高級住宅街「山手」に住むS先生はそのうちのひとり。
75歳には見えない背筋もピンとしたダンディな紳士です。
戦前、戦中、戦後と激動の時代を生き抜いてきた人生は、いかばかりだったでしょうか。
戦後すぐに税務署に勤務して優秀な成績を上げたそうです。
あまりにその追及が厳しかったそうで、苗字の前に鬼をつけて、「鬼○」と呼ばれたとか。
退職後はコンサルタントとして活躍されました。
弊社とのお付き合いはもうかれこれ3年位でしょうか。
売買希望のお客様を紹介してくださったり、ご自分で那須の土地を売ったり買ったりしていただきました。
月に1回は会って話をする交流が続いていますが、驚くことはその気持ちの若さです。
そして、その行動の速さです。
いまだ事業意欲が旺盛なことと、10年後のことも考えるような視野を持っているのです。
こういう人はきっと老いることもなく長生きするのでしょう。
「庭の手入れが出来なくなったら、横浜山手を売ってマンションに移るから、そのときはよろしくね」。
笑顔での一言がとても嬉しかったのです。
S先生、これからも元気で長生きしてください。
そして、これからも末永くよろしくお願いします。
口コミや紹介こそ営業の主流
現在私はマネジメントに集中するために特に積極的に営業行為は行っていません。
しかし、実に多くのお客様の紹介を受けるのです。
一球入魂ではありませんんが、お客様との最初の出会いを本当に大切にしたいと思っているのです。
偶然とは言いがたい、何かの縁があってのことだと思えて仕方がないのです。
お客様は数え切れないほどのたくさんの物件の中から選ぶわけです。
また同じように何社もある会社の中から一社を選ぶのです。
偶然なのかもしれませんし、たまたまなのかもしれませんが、私はそのようには考えたくないのです。
何十分の一や何百分の一、あるいは何千分の一の確率で出会った貴重な出会いと考えられるのではないでしょうか。
そう考えると、出会いというのはひとつの奇跡ではないかとさえ思ってしまいます。
以前に天職発想と題して書いたブログでも触れましたが、
「私はこのお客様に会うために生まれてきた」と思うことにしています。
何て大胆な発想だと思いませんか。
しかし、そこまでして真心を込めて接することが出来るとすれば、きっと相手の心にも何かしら余韻が残ったり、記憶に残ったりするものなのでしょう。
少しずつですが確実に紹介客が増えているのです。
お客様との出会いはきっと例外なく運命の出会いなのでしょう。
これからも、そんな出会いを重ねていきたいと思います。
土地売却は隣地から
ある地方都市で土地の売却依頼を受けました。
弊社「日本マウント」は、関東甲信地方のリゾート物件や田舎暮らし物件が専門ですので、首都圏の土地以外は通常であれば扱いません。
しかし、今回の地方都市の土地に関しては、知り合いからのご紹介案件だったこともあって、特別に取り組むこととしたのです。
この土地に関しては、かなりの広さがあったので、個人で購入することはまず無理だろうということで、建売業者などにターゲットを絞って買主を探しました。
何社か手を上げてくださり、金額交渉など重ねた結果、大分煮詰まってきたので境界の確認のため隣地の人に声をかけてご登場いただいたわけです。
そうしたところ、隣地の一人が全部は買いきれないから半分欲しいという話がでたそうです。
切り売りするつもりはないので、一旦、業者が買い取った後で購入したらいかがでしょうかと提案しようとしたときに、別の隣地の方がもう半分を欲しいという話がでたとのこと。
あっという間に業者が買い取る金額より高く買う購入先が決まってしまったのです。
土地の売却先は、まず隣地にあたるのが鉄則です。
古家が建っていたときには買わないと言った隣地の方が、その古家を解体して整地したときに、やっぱり欲しいと言ってきたこともありました。
やはり鉄則やセオリーは大事ですね。
それに縛られてしまうのは問題でしょうが、長い年月をかけて築き上げられてきたことものは、どんな時代になっても色あせることはないのです。
土地の売却先はまず隣地から。
今回、嫌と言うほど認識されたことでした。