夏の甲子園

夏といえば「甲子園」。

高校野球の夏の甲子園は、もはや夏の風物詩として定番です。

夏の甲子園といえば思い出すのが、当時、石川県星陵高校の所属した、松井秀樹選手の5打席連続敬遠。

運命の悪戯なのか、打順のめぐり合わせも重なって、前代未聞の5打席連続敬遠ということが起こってしまったのです。

相手の高知県明徳義塾高校は、完全に悪者になってしまいました。

勝者の校歌斉唱は、スタンドの「帰れ!帰れ!」のコールでまったく聞こえないくらいでした。

物議をかもしたこの試合の翌日、当時、所属していた会社の営業会議で、この試合のことが話題になりました。

当時の上司は、全員に意見を言わせた後に、このように言ったのです。

「ルールの範囲内だから、あれでいいんだ。勝負は勝たなければならない。綺麗ごとを言っていては勝てない。」

そのときはそうなんだと思っていました。

さて、話題となった「もしドラ」によれば、この5打席連続敬遠は果たしてよかったのかという疑問符が付きます。

なぜならば高校野球の目的は、観客も含めたすべての関係者に感動を与えることにあるからです。

勝った明徳義塾は次の試合では、練習試合で何度も勝っている格下のチームに負けました。

この試合で光ったのは、松井選手の真摯な態度でした。

あのとき誰がこの松井選手が十数年後に、米大リーグの名門ヤンキースのクリーンナップで大活躍し、ワールドシリーズ制覇の立役者としてMVPを獲得するとこと予想したでしょうか。

ドラフトで巨人に指名され、長島さんに鍛えられ、巨人の4番を打ち、何度も日本一に輝き、名門ヤンキースでワールドシリーズを制覇する。

しかもそこでMVPを獲得する。

松井選手の活躍を見る限り、なんという強運の持ち主だろうかと思ってしまいます。

長い目で見たときに、本当の勝者は誰だったのかと考えてしまうのです。

今年の甲子園も熱い戦いが続きます。

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