ひきこもり留学
「最強英語術」という本の著者がいます。
「菊池健彦」さん、51歳。
英語のコミュニケーション能力を評価するTOEICで満点はこれまで24回。
しかし海外にはまだ一度も行ったことがないというのです。
しかもこの菊池さんが英語をマスターすることができた経緯が異色です。
営業のノルマを果たせず、34歳で勤めていた会社を辞めて、6畳一間のアパートにひきこもったそうです。
そのうち何もしないことに疲れて果て、英語の入門書を買い、英語の勉強を始めるのです。
名つけて「ひきこもり留学」。
なにしろ時間はたっぷりあるわけですから、英語の雑誌を一日一ページ読み、わからない単語を覚えたというのです。
それを毎日繰り返したのです。
聞き取りは海外ドラマを録画して何度も再生したそうです。
電子辞書のカバーはお金をかけずに手作りなど工夫してそれを楽しんだとか。
単語を覚えている間は将来の不安から解放されたといいます。
誰とも話さずに一日が終わることがほとんどで、外出先はスーパーと本屋。
食費は一日500円と決め、夕方の安売りを狙って凌ぎ、そのときのレジの女性の笑顔の「またお越しください」という一言に「ありがとう」と応える勇気がなく、ただうなずくだけが社会との唯一のつながりだったそうです。
7年後、貯金が底をついたので、重い腰をあげて英語教師に必要だという試験を受けに行ったら「あまりにも簡単だ」というのです。
これだから、人生は面白い。
「逆転人生」
菊池さんは力説します。
「何歳だって生きている限り勉強できる。忘れたら、また覚えればいい」
常に勉強、一生勉強。
私も菊池さんを見習いたいと思います。