朝令暮改の勧め
かなり前のことになりますが、イトーヨーカドーやセブンイレブンを率いる、セブン&アイ・ホールディングスの会長・CEOの鈴木敏文さんが書いた「朝令暮改の発想」という本を読みました。
その当時はまだ「朝令暮改」は悪いことの代名詞のように言われていた頃だったような記憶がします。
だからこそ、目に付いてタイトルでしたので、購入しじっくり読み込んだことを思い出します。
先日の社内勉強会で使った本は、元トリンプインターナショナル社長「吉越浩一郎」さんの著書「仕事ができる社員、できない社員」でした。
サブタイトルは「会社に必要とされる人になれ」。
苦境に喘いでいたトリンプを19期連続増収増益に導いた手腕が光ります。
この本の中で吉越さんは、朝令暮改と同じような意味で臨機応変さの重要性を説いていました。
「君子豹変す」という言葉を例に出し、立派な人物ほど、自分の誤りに気づいたらきっぱりと言動を変えることができるというのです。
吉越さんはよく社内で、「豹変していれば君子になれるかもしれないぞ」と部下に言っていたそうです。
正しく英訳するとややっこしいので、わかりやすく「タイガーチェンジ」と独訳して、この言葉で社員にハッパをかけていたそうです。
株式会社「武蔵野」を率いる「小山昇」さんはその著書「社長はなぜ、あなたを幹部にしないのか?イエスマンこそが会社を救う できる管理職になるための88の教え」という著書の中で同じようなことを述べています。
できる管理職は社長の決定をいち早く実行するのだそうです。
正しさよりも早さなのだとか。
社長は馬鹿ではないので、間違っていたら直ぐに軌道修正するのだそうです。
いわゆる「君主豹変す」なのでしょう。
だから間違いに早く気がつき軌道修正する方が、始動が遅くなるよりもずっと良い結果が早く出るという理論です。
これにはなるほどと頷いてしまいました。
文章表現は違いますが、最近は同じようなことを言う指導者が増えているような気がします。
昔は「朝令暮改」や「君主豹変す」は悪いことでしたし、イエスマンでは駄目だと言われたものです。
最近ではどうやら逆が良いようなのです。
時代は反転するのでしょうか。
これからは「朝令暮改」を意識してみたいと思います。