鉄板焼き
お気に入りの鉄板焼きのお店がありました。
おそらく高級店といってもいい部類に入ると思います。
きっかけは、すぐ隣のフレンチの店が予約でいっぱいだったからです。
そのときの料理が私にとってはサプライズでした。
コース料理を注文したのですが、目の前で焼く演出もあってか、フレンチの店がいっぱいだった「災い転じて福となす」という結果に喜びました。
人間とは欲張りなもので、もう一度来て、今度は一番高いコース料理を食べてみたいと思ったのです。
この時点では、私はこのお店にとってリピーター候補となったわけです。
そして、それからしばらくしたある日、その機会が訪れます。
ちなみに一番高いコース料理は、フォアグラ、帆立貝、伊勢海老、アワビ、そして牛ヒレのメニューで、それを目の前で焼いて調理してくれたのです。
最後は食べきれないほどでした。
こうして、たちまち、私はこのお店のファンになってしまいました。
ところが・・・・
つい先日、久しぶりにこのお店を訪ねてみたのです。
メニューが変わっていました。
前に来たときはお客でほぼ埋まっていた席も、週末のゴールデンタイムにもかかわらず空席が目立ちました。
正直、味も落ちていました。
3.11以降、高級店やホテルなどが経営が厳しいと聞いてはいましたが、これが現実なのですね。
お客が入らないので、単価を下げて質を落とす。
その結果、今までの固定客が離れていく。
そしてそれを繰り返す。
衰退のスパイラルに陥っていくわけです。
経営とは難しいものです。
よく言われるビジネスの鉄則に、「期待通りでは駄目で、期待以上でなければ、もはや顧客満足は得られない」というのがあります。
私たちも知らないうちに、大切なお客様の心がいつのまにか離れているのかもしれないのです。
明日は我が身。
肝に銘じたいと思います。