ある市の試み

私は普段は全くテレビを観ることがありません。

単身赴任で過ごす自分の部屋にはテレビがないからです。

たまたま出張で泊まったホテルで観た番組の中で気になるテーマが放映されていました。

地方のある市では駅の周辺に病院や学校、スーパーなどを整備して、その周辺に市営住宅を移したり建設したりしているそうです。

来るべき人口減少時代や高齢化社会に備えてのことだとか。

郊外の市営住宅から人を移動させているのです。

人口が減り、高齢化が進むと必然的に税収が減るのだそうです。

駅周辺に集中させることによって、整備するべきライフラインが節約できるというのです。

新しく建てられる市営住宅は独り者高齢者がコミュニケーション不足で寂しくないように、共用部である廊下から見えたり声をかけやすいような造りになっているのです。

昔は駅周辺にしか家や商業施設がなかったのに、人口が増えるにつれてどんどんと郊外に家が建ち、大型スーパーができていきました。

人々もプライバシーというものが尊重され、外からは見えないことが重視されてきたのです。

それがこれからは昔のように駅周辺に集中し、プライバシーよりもコミュニケーションが志向されるというのです。

昔に戻る。

いわゆる回帰ということなのでしょうか。

そういえばあれほど郊外の大型店の出店を続けてきた「ユニクロ」や「しまむら」、「ヤマダ電機」なども駅中や駅近に小型店を出店し始めました。

まるで今はシャッター通りとなってしまった昔の駅近の店のようです。

住宅も今や自然素材、古民家などが人気となりつつあります。

まさに昔に戻るという兆候なのでしょう。

未来を読む鍵となりそうです。

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