巨人、優勝おめでとう
プロ野球セリーグで巨人が3年ぶりにリーグ優勝を決めました。
終わってみれば、独走優勝でした。
これだけの独走優勝を誰が予想できたでしょうか。
確かに戦力が充実していたのは事実です。
しかし、勝負は下駄を履いてみなければ分かりません。
特にプロ野球に関しては、戦前の予想どおりの結果になることは、そう多くありませんでした。
巨人軍終身名誉監督の長嶋さんは、この優勝を決める試合を観戦していて、優勝の最大の要因を、原監督の統率力や采配にあると語っていました。
監督としての記録や実績をみれば、先のWBCでの優勝を含めて、もう既に申し分ない実績を残しつつあります。
原監督のこれだけの監督としての能力を、予想した人は少なかったかもしれません。
私が忘れられないのは、原監督が現役時代に長嶋監督に代打を送られたシーンでした。
試合の終盤に右バッターである原選手が、同じ右バッターである長嶋一成選手に代えられたことがありました。
その少し前の試合では、同じようなケースで左バッターの吉村選手に代えられたことがありましたが、そのときでさえ屈辱だったと思いますが、このときは試合を観ているすべての人が目を疑ったのです。
常識ではありえない、当時の原ファンが激怒し「一生忘れないと」と言うほど、まるで原いじめのような采配だったわけです。
それほどの屈辱を、当時の原選手は味わったのでした。
長嶋さんは後ほど、この采配を「原君を将来の指導者にするためにやった」と語ったことがあったそうですが、もしそれが本当だとしたら、それこそ今の原監督は長嶋さんが育てたと言っても過言ではないかもしれません。
今年の原監督の采配には、勝負に徹する非情采配がいくつかありました。
あのときの屈辱が活かされているのではないかと思うものでした。
人生では、ときには屈辱を味わうことがあります。
そのときは悔しくて涙が出そうなことも、時が経てば肥やしとなり経験となって、未来に活かされることが多いものです。
セリーグ巨人の独走優勝は、私にそんなことを思い出させてくれました。