奇跡のピアノが奏でた、松本の民泊の新しい物語
「このピアノが、再び音を奏でる日が来るなんて――」
そんな声が、民泊施設の一室に集った人々の胸に、そっと染み渡っていました。
2024年5月、長野県松本市にある民泊施設で、小さなミニコンサートが開催されました。(アイレストヴィレッジ松本II)
集まったのは20名以上。地元の人、SNSを見て駆けつけた人、施設づくりに携わった関係者など、さまざまな背景を持つ人々が、ひとつの想いを共有していたのです。
主役は、1台のピアノ。それは――能登半島地震で被災した家から、奇跡的に救い出されたピアノでした。
2025年5月10日(土)、松本市にて「奇跡のピアノコンサート」を開催しました。このコンサートは、能登半島地震で奇跡的に無傷で残ったピアノを松本市の新たな民泊施設へ設置したことを記念し、そのお披露目として開催されたものです。
松本市出身のユーフォニアム奏者、石倉雄太さん、諏訪郡富士見町在住のピアノ演奏者、根本崇史さんをお迎えし、美しい音色を響かせました。この特別なミニコンサートは、多くの方々のご協力により実現。能登から繋がれた希望のピアノが、新たな場所で多くの人々の心に響くことを願っています。
目次
奇跡の始まり:被災地からの“声”
物語の始まりは、3月下旬。音楽家の根本さんが、知人を通じて受け取った一本の連絡。
「倒壊寸前の家に、1台のピアノが残っている。廃棄される前に、引き取ってくれる人はいないだろうか?」
この言葉が、すべての始まりでした。すぐに能登へ向かう根本さん。
奇跡のようなご縁が繋がり、日本マウント株式会社を通じて、松本市の民泊施設「アイレストヴィレッジ松本II」へのピアノの移設が決定。
ピアノは「リレー」のように、複数の業者や人の手を経て、長野県へ運ばれたのです。
音楽家でありピアノ演奏者でもある根本崇史さんが運営する「にじいろむじか」は、「大切に奏でられてきたピアノを、次の世代へ」という思いを胸に、ピアノリレーの活動を開始しました。そんな中、日本マウントとのコラボレーションが実現し、この活動はさらなる広がりを見せています。
30年ぶりの調律と、職人たちの手
ピアノが松本に到着したのは5月初旬。
数十年に渡って手入れされていなかったピアノは、埃をまとい、心臓部には錆が浮いていました。
しかし、ここからプロフェッショナルたちの“手当て”が始まります。
調律師による丁寧な内部清掃と打鍵調整、演奏者による音色チェック。そして、30年ぶりの調律。
「音が、戻ってきた。まるで、生き返ったように。」
ピアノは再び、あたたかくやわらかい音色を響かせ始めました。
音楽の街・松本で、新たな役割を担うピアノ
5月10日。記念すべきミニコンサートの日。
ユーフォニアム奏者・石倉雄太氏を招いたコンサートでは、再生したピアノがついにお披露目されました。
会場となったのは、松本駅から徒歩圏内にある一棟貸しの民泊施設。
文化の街、音楽の街として知られる松本市で、「ピアノが弾ける宿泊施設」として、ピアノは新たな人生を歩み始めたのです。
「たくさんの想いが、このピアノに宿っている。だからこそ、奇跡のピアノと呼びたい。」
震災の中で残り、廃棄寸前で声がかかり、能登から松本へ運び、30年ぶりに調律し、丁寧に掃除をしたピアノでした。
持ち主や弊社、声をかけてくれた人、運搬してくれた複数の業者、調律師、演奏家など多くの関係者が関わって実現した企画でした。
関係者の皆様、本当にありがとうございました。 ミニコンサートには20名を超える人々が集ってくれました。
近所の人や民泊施設誕生に関わった人、弊社グループの地元のスタッフ、Xやインスタグラムでの宣伝を見て参加した人など様々な人々が参加し楽しんでくれました。
社会貢献のかたちとしての“ピアノリレー”
このプロジェクトは、単なる美談ではありません。
日本マウント株式会社は、この奇跡のピアノを活かすことで、
- 被災地にあったモノの「再生」
- 地域とのつながりの「創出」
- 民泊という場の「文化的価値の向上」
を実現しました。
「音楽が人をつなぎ、想いが未来をつくる」
奇跡のピアノは、今日も松本で、静かにその音を奏でています。
最後に:あなたもこの物語の一部に
この民泊施設「アイレストヴィレッジ松本II」では、宿泊者が実際にこのピアノに触れ、音を奏でることができます。
松本を訪れる際は、ぜひ足を運んでみてください。
“音の宿”で、あなたの物語を奏でてみませんか?
宿を見てみる→アイレストヴィレッジ松本Ⅱ井川城
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